イデアコストア

失敗の商品開発

失敗の商品開発 その3

情報に惑わされて自分を見失う事・・・

これがよくあります。となりの庭は美しい、それを見たが故に欲にかられて迷い道に入る。欲があるから迷いも生まれるものです。

だから欲を捨てようと言う事ではありませんが、そのような感情に支配される自分を冷静にコントロールする必要があります。

となりの庭の情報が私達のまわりに毎日毎日飛び交い宣伝され伝搬されプロパガンダされています。

例えば最近あればアートという言葉、ロジカル思考からデザインシンキング思考、そしてアート思考なんてわけのわからないことを言っちゃってセミナーで稼ぐ方も大学の講座も新設される。

その内容はと言えばもう50年も前の川喜田治朗さんのKJ法を使い発想をプロットする、文化人類学者さんのリサーチ手法であるところのフィールドワーク、自己観察を行う、要らないものを削ぎ落し本質核心に向かって集団的にその思考を掘り下げてコンセプトの核心に迫っていく手法。

どれをとっても何も新しい事ではない。でもアート思考などという言葉を使われるとそもそも昔から有って何も変わらない手法がさも何か新しい創造的な手法のように人を惑わせることになる。

アートという存在を開発に求め商品開発に持ってくる、その時点でその商品開発はほぼほぼ失敗すると見ていい。

商品というのは万単位で販売される製品の事を言うのであってその為に開発するものが商品である、クラフトなら100、アートは一対一作品なのである。

だから唯一生まれた一点の作品が万単位に生まれ変わる事はそもそもアートとして存在するものではない。

絵画がポスターに複製され商品として流通するのは、アートが商品化された結果であって、そもそもアートという商品を開発仕様と行った結果ではないのは明らかである。

ここはき違えると商品開発は失敗する。

2019-05-10 ©Ichiro Haba
シンプルに美しく暮らす