デザインマネジメント講座

デザインマネジメント講座 65

「未来をデザインするコンセプト 13」

こどもたちのこどもたちのこどもたちへ

この言葉、1970年代に浜野安弘さんが主宰する浜野商品開発研究所が未来をデザインするコンセプトとして掲げていました。

その70年代当時、世界の工場であった日本では今の中国と同じく工場排水、大気汚染など深刻な公害問題が世間を騒がせていた時代です。

時を同じくしてローマ・クラブが1972年「成長の限界」という報告書で世界は拡大成長を良しとしてこのまま進めば地球の呼吸は止まり人類は破滅に向かうという発表しました。ローマクラブはゼロ成長を良しとし持続可能な経済成長をコントロールするという考え方が正しい、その事が志を持った世界中の科学者・経済学者・教育者・経営者などで構成された知性の集まりよって実証提示されました。

経済が成長拡大するという事は消費をさらに拡大させその手段の為に地球の資源をむさぼりゴミを生み出し地球を汚す事になる、その宴はそう長くは続かない、資源も枯渇し環境は破壊され、人類も絶滅に向かうのは簡単に想像できます。こども達でもわかる事です。

以来60年いま私たちの前にその予測が現実となり顕著となって現れはじめています。森林破壊、気候変動、地殻変動、エネルギー問題、テロ戦争、格差貧困、絶滅種の拡大、なんとかファーストという自分さえ良ければ良いという利己主義ミーイズムの勃興、廃棄物問題、プラスティックによる海洋汚染、人口爆発など警鐘されて来たそのような人類社会にとっての脅威を目の当たりにするようになってきました。

もう先伸ばしはやめて、これにストップを掛けることにデザインは今この日から貢献していかなくてはなりません。

目の前にある仕事からその志を持って行動を起こし社会全体がその事をファーストプライオリティとして取り組んでいくべきであります。

環境問題などと言っている場合ではありません。私たちはもはやこども達に命をつなぐ事も出来ない人類絶滅の危機に直面しています。

2018-08-03 ©Ichiro Haba
シンプルに美しく暮らす