デザインマネジメント講座

デザインマネジメント講座 63

「未来をデザインするコンセプト 11」

生きるという意味をデザインする必要が出てきました

漫画“君たちはどう生きるか”という書籍が200万部を超えて売れていると言います。

若者にとっては漫画という親しみ易さ、わかりやすさ、そしてタイトルのど・う・生・き・る・か という事に迷いを持つ世代の人たちに響いたのでしょう。

確かに私も20代の頃、生きる事の意味を哲学的にとらえたいという欲求があり本を読みあさった覚えがあります。その時に考えた事は、今は何でもやろうと思えば出来る時代だから逆に生き方の選択を行わねばならない。

昔であれば豆腐屋の息子として生まれたあなたはその家業を継ぐのです、的な、あなたはこの家に生まれたのだから、こういう生き方をしなくてはなりませんという選択の余地のない状況で其れは其れとして迷う必要も無く生きる意味と目的を授けられていたとも言えます。

幸せな人生には4つ欲求を満足させるというテーマがあります。

1つ目に富(経済・収入)、2つ目に愛情(家族・帰属)そして健康(心と身体)自己表現(自分らしさ・生き甲斐)の満足を求めてその実現の為に人生5計のはかりごとを行います。5計とは生計・身計・家計・老計・死計と言われること。そのデザインを進めていきます。生きる為の道徳倫理の基礎を両親から学び、生活する身を立てる職業を選択し、家族を持って、どう老いるか、いかに死するかを計る。そう言う普遍的な人生の構図ストーリーが昔は通じましたが今日では意味をなさないものになってきています。

だから今また生きる事の意味、価値観をどのような考えで自分のものとする事が出来るのかがテーマとなって来ているのでしょうね。でも僕からすれば、それはシンプルな事で時代や生活の仕方は変化してもその本質は変わらないと思っています。複雑に考えるから迷うしその事が見えなくなる。世の中を複雑化する情報が正直多すぎるのですよね。

私たちは情報を活用するより現実は情報に振り回されて生きています。生きる事、生まれてきた事の意義目的、人の心と身体の関係など物事の本質はシンプルで単純なのです。その事を学べば見えない事が見えるようになってくると思います。

2018-07-27 ©Ichiro Haba
シンプルに美しく暮らす