最近ブランディングが語られるとき必ず出てくる世界観というワード。
その世界観というワードの背景には大変重要な社会性という視点が存在します。その企業の社会性に共感し消費者はブランド選別を行います。
当たり前といえばあたりまえのことなのですが改めて環境問題や格差問題、人種差別、コロナ禍の中にあって社会性は益々企業の存在理由の中でクローズアップしているテーマです。
世の中には能力が高くずる賢くうまくやる企業の多くが成功を手にしています。往々にしてそのような企業には人間として正しく美しい判断よりも損得勘定を優先して物事の判断を行うような会社が多いようです。
例えば市場で売れ始めている製品を真っ先に探し出してそっくりな似たものを大量に作っては安く売りさばくようなコピー品メーカー。このようなメーカーに限って人をだますこと誤魔化すことに長けています。
目的は金儲けなので儲かる事なら極端に言えば何をしてもかまわないほどに我がさえ良ければよい感覚で物事の判断を行います。
このような会社企業の社会性とはどのようなものなのでしょうか。社会性とは自分の事よりも他人の事、社会の事を優先して考えるという理念のもとに生まれるビヘイビア(判断と行動)として現れ出ている事業活動の結果です。
もちろんこのようなコピーメーカーにとって社会性があるとすればそれは売り上げをしっかり上げて利益を出して税金を納めるという社会貢献です。
しかしながら往々にしてこのような理念の企業経営者はなるだけ税金を納めないようにずる賢く立ち回ります。どうするかといえば中国で製造した製品を税金の安い香港を経由して日本の自分の会社に納めます。
香港に設立したペーパーカンパニーにそうして多くの利益を残しプールします、そうしてその企業の経営者は香港で個人資産を蓄積するのです。
このような判断、私利私欲の判断行動の結果は一時は良くても将来破綻を迎えることになってしまうのは数多くの歴史が物語っています。
所得格差が世界的な資本主義グローバル経済の暗い一面の問題としてクローズアップされていますが、この根本の問題は富が一局に集中することです。その富を手にする一握りの人たちの理念が今の格差を拡大させているのです。
あのある意味やり手の扇動家I am Firstトランプさんもその一人であるのかもしれません。
ブランドの世界観を作ることイコールブランドの社会性という視点が最も重要であり、ブランドの存在意義・理念構築し目標を掲げる事それこそが本物のブランディングを実現するためスタートとなりその構築こそがブランディング本質であるという認識を持ちたいものです。
そしてそうして生まれたブランド理念はいつも手入れできるような状態で自分たちの事業活動行動を管理する仕組が必要になります。それによってブランドの持つ世界観というモノが市場に形成されて行くことになります。
2020-12-01 ©Ichiro Haba