「デザイン思考とイノベーション」
デザイン思考でイノベーションを生み出そうと呼びかける本やウェブレポートをよく見ますがその中身を見るとほとんどの記述されたものは過去のイノベーターの成功事例をなぞらえて理屈をこねまわし外来語をふんだんに使いこむづかしく表現加工されたロジックによる机上論でしかありません。
逆にそれらを見てよくこんな無責任な書物を出版するな?思います。そしてそこから何かをつかもうとしてお金を投資する人がいることにも、もの悲しさを感じてしまいます。そんな書物をなぞらえたところで誰もイノベーターにはなれないのに・・・
シンプルに考えてください、普通の人は非凡な人を真似ようとしても非凡にはなれないのです。そしてその非凡さ故に作られた道の上をまた真似て歩くことなんてその本人の魂を宿し能力を宿し体力も気力もすべてを持ちあわせたとしても、その時にはもはや時代や環境という天の利・地の利も違います。
イノベーターを真似ようとしてもイノベーターにはなれません。よりも逆にその欲が迷いを生んで迷路にはまる結果になる可能性の方が高い。
でも私たちデザイナーは常にイノベーティブな感覚アイデアのアウトプットが求められます。ですがイノベーションの手法を学ぶ必要なんてありません。何故ならそもそもあなたの中にイノベーティブは存在しているわけです。
それに自分自身が気付けていない自覚していないだけです。僕は自分のことをイノベーティブな存在だと思っています。というのは何か新しい物や事を生み出したいという願望を持つ自分があるということや現状と未来へのギャップを感じているあなたがいるとすれば、それはもう十分イノベーションを生み出す一歩をすでに踏み出しているということだからです。
そして一方でそのイノベーションを推進いただくための身近な例をご紹介します。まずそもそもイノベーションの必要性は?
あなたにとってそれは何のために必要なのですか?この当たり前のことに向かい合ってください。事業でも行政でもDXデジタルトランスフォーメーションに取り組んでいかないとあなたは時代遅れで事業の発展も将来も望めませんよとメディアにあおられ焦りを持たれていませんか?そのことによって頭の思考回路があなたの夢を実現するのではなくイノベーティブな取り組みDXに取り組むことが事業仕事の目的化するようなおかしなことになっていませんか。
イノベーション=DXそしてDX=成功成長発展への架け橋的な観念にはめられ迷路に迷い込まれる方が多く存在するように思います。この感覚でDXに取り組まれたらその投資は骨折り損になるだけです。迷路から抜け出ていただくためにヒントの物語を下記します。
マザーテレサが弟子に語った話。
そのお弟子の尼さんは“私は私のこの大きな愛でこの世界をよくしていきたいと願い思っています”そう語るお弟子の尼さんに対しマザーテレサは言いました“あなたの目の前にいる困った人を助けてあげなさい”それが世界を愛で包む道に通じるのです。
イノベーティブな発想もこのように自分の目の前にいくらでもその題材は転がっています。それに気づくか気づかないかだけの違いじゃないでしょうか。それが創意工夫でもって将来を素晴らしいものに持ち込んでいくデザイン思考の本質です・・・その本質を十分理解できればDXのようなテクニカルメゾッドもアーキテクトも使いこなす価値が生まれてきます。
2021-04-09 ©Ichiro Haba