以前のデザインマネージメント講座のブログでも紹介しましたが、僕たちが最も仕事の中で大切にしていることは独創的な視点を発掘することです。それがいわゆるコンセプトというものです。
一方でCPバランスという視点は大切です。コンセプトや理想は良くてもパフォーマンスそのコンセプトを実現する製品やサービスその品質や価格・使い勝手や心配りといったリアルな世界が良くなければ逆にそれは顧客の期待を大きく裏切ることになりかねません。
単純に考えればメッセージされたコンセプトに対し期待されなければ裏切ることも起こらないということですから、期待が大きいほど手にしたパフォーマンスが期待通りでなかったらその裏切り感情失望は増大するということになります。
それはさておき、さぁこのコンセプトとは何ぞやということですが、簡潔に結論を述べますと、他を凌駕する自分のお得意とできるただ一つの事です。スマップの歌にも世界に一つだけの花という曲がありますがまさにそれであります。あなたにとっての一つだけの花それは何ですか?
それが事業にとっても製品にとってもサービスにとってもそれこそがコンセプトとなるものです。まずはその視点を発掘できるかどうかがデザイン経営の核心となります。
あれもできるこれもできるという風に自分を紹介してみましょう。それを受けた受け手はところで本当にあなたのできることは何ですか?とあなたという存在を逆にわからなくなり理解できなくなります。
ですから事業も製品もサービスも「ただ一つその視点を得る」ことが最も大切なデザイン経営のそれこそコンセプトなのです。
イデアコのそれは明快です。シンプルに美しい暮らしへデザインで貢献するミニマルライフの創造です。イデアコはもう20年も前、ブランドがラウンチした時からそのコンセプトは変わりません。
僕が10代であったころ現在の地球規模の環境問題のようなスケールではなく自分たちが暮らす身近な川や空気が汚染され異臭を放ち水俣病など公害病が全国で多発するような社会環境でありました。今よりももっと命の危険を身近に感じる生活を送っていましたからよりリアルに将来に対しこのままではいけないという思いを持っていました。
ですからそのころから大量生産・大量消費がこのまま続いていくと間違いなく自分たちの未来はないそう感じていましたから無駄をなくしシンプルに暮らすことの重要性をすでにその時から気づいていたからにほかなりません。僕自身が日本男子たるべきもの食わねど高楊枝的なサムライの美しさや千利休の人格などを理想とする人間でもありました。そのことの影響もあります・・・・
デザイン経営の軸それは「世界に一つだけの花である自分を見極めそこに戦略資源を集中する」ことから生まれます。
2021-03-12 ©Ichiro Haba