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フラッグシップ

先日、ある家具メーカーの社長さんが弊社に相談に来られました。

それは自社が開発するフラッグシップモデルの家具をどのように開発すればよろしいでしょうかというご相談です。

皆さんフラッグシップというとまず思い浮かぶのがデザインの優れたプレステージ(頂点)にある製品であると思います。家具であればイタリアのB&Bやarflexが思い浮かびます。

そのような頂点製品に近づく為にいかにして製品開発を進めれば良いのかというご相談です。

そこで私がアドバイスさせていただいた事は「フラッグシップという言葉に振り回されてはおられませんか?」という問いかけと、「そもそもフラッグシップなるものはご自身にとってどのような存在であるのですか?」という本質的な疑問です。

今は逆にその言葉によって自分たちを見失うという事態に陥られてはおられませんか?

このように私達は日常沢山の美しい魔法の言葉によって迷い惑わされ続けているという認識を持たねばならないという事です。

フラッグシップという看板を掲げたお隣の高くて美しい山を見ると羨望が生まれてきます。当然山の高さを競い合うような社会にあってそれは憧れであり夢であるのも事実です。でもそれはお隣の山であって自分たちの山ではないのです。

美しい山を見せられるとそれが欲しいという欲にかられ、その欲から迷いが生まれそれによって自分を見失うという事態になります。

ここでしっかり見つめなければならない事は自分たちのフラッグシップです。

それはイコール頂点でも高級でもありません。

"自分たちが最も社会に役立つ事の出来る得意技"

それこそが自分たちのフラッグシップ旗印になります。

そのようなお話をさせていただいていましたら、その社長さんは「そうだ!自分たちのフラッグシップそれは自分たちが顧客に貢献できているこれなんだ」という事に気づきを持たれました。そうして今そのメーカーさん独自の力によって生み出されるフラッグシップモデルの開発がその信念の基に着々と進んでいます。

2019-01-29 ©Ichiro Haba
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