デザインマネジメント講座

デザインマネジメント講座 23

「PBカルチャーダイジングと NBネット販売」

カルチャーコンビニエンスクラブCCCの食器、これってどうなのでしょうか?


Culture By Designと詠ってみせるプライベートブランドPBのCCC
。

マリメッコ、アリビア、イッタラ、ロイヤルコペンハーゲン
有田、波佐見、備前、多治見、九谷、清水、信楽、常滑、伊万里…

カルチャーな食器が有りと溢れる小売りの世界にあってCCCの食器だからと欲しいという消費者との共感点はどこにあるのだろうか?


蔦屋の食器だから欲しいという人は今のところ存在しない。
だれがどこで作ったという類いの物語やカルチャーはともあれデザインがとても気に入ったので購入するという消費者は存在すると思う。
贈り物にするには蔦屋のブランドでありがたみを乗せる事も出来る。
売場では岐阜土岐の職人の仕事というストーリーが書籍によって紹介され
その結果その物語に知的欲求を刺激された消費者の欲求は喚起される、そして購買に至るという販売の仕掛けは十分あるのだろう。


今の全てのリアル店舗小売店に共通している事は、スマフォポチッとで購入できる知名度の高いNBナショナルブランド製品を売場に並べてもよほど今すぐこの場で必要というタイミングでない限り買ってはもらえないという事。

逆に言えば製品の知名度・認知度さえ高ければネット販売でバンバカ販売できるという事である。一方では小売店鋪はネット販売のショウルームと言われて久しい。今後の小売業の生き残る道はオリジナル製品を自ら開発してチェーンストアオペレーションで量を売りお値段以上を実現して成功するニトリやユニクロのようなSPA型ビジネスモデルに進化するしかないのだろうか?

それにしてもそのような先駆者の人たちに既に市場は制覇されもうすでに日本はオーバーストアーな状況にある。ニトリにあっても近年その販売量はニトリオンラインネット通販にシフトしている。

そのようにこれからの流通業の世界はネットが制覇する。いやもう既に米国にしてもamazonによって制覇されている。ただ一方でネット通販に無いサービス、ブランドロイヤルティはギフトとしての需要に応え得る蔦屋というブランドロイヤルティである。地方の小売店の中にはスパイスの利いたセレクトマーチャンダイジングでNYブルックリンを思わせる倉庫型空間エンターテイメント性を持って集客を行い成功する小売業態もある。

地産地消というその場でしか調達出来ない他の小売店では売ることの出来ないオリジナルなモノ作りでそこに自らの物語を載せて販売する。それらも空間とともにその店に足を運ぶ共感を創造している。

物販の成功は、いかに自分たちでしか出来ないものづくり、仕入れ調達をクリエイティブしていけるかという事に尽きる。ただ一方でオリジナル製品の開発は必ずと言っていいほど売れない少量在庫をチリと積もらせる、あるいは企画や開発の経験不足や安易な発注調達の見込み違いによって売れない製品を作り出し過剰在庫を生む事もある、そうして積上った在庫を破格なセールをして消化せざる得ない事業サイクルに陥った時に販売価格の崩れとともにお店のロイヤリティも崩れていく。

オリジナル製品の開発は過剰在庫との戦いでもある。物販に関わるものづくりメーカーも問屋も小売店も商社もメルカリで販売する個人もみなSPA製造者直販のビジネスモデルでしのぎを削る。そして国際的にこれからTTPも進展し国境の壁を越えていく。益々今後そのネット販売競争が業態の垣根を越えて物流の進化とともにさらに加速し激化する。

2018-01-30 ©Ichiro Haba
シンプルに美しく暮らす