デザインマネジメント講座

デザインマネジメント講座 16

「脳内ビッグデータを使え」

デザインというもの、創造性というもの、あたらしい発見や発想は情報のつなぎ生合わせによって生み出されるものなのです。絵を描くのがデザインの仕事では全くありませんが、一般的にはそのようなイメージでデザインという仕事は認識されています。言葉ではなくそれを視覚化すればそこにデザインがあるといったような感覚ですね。

実は視点の導入という本来言う所のデザインは情報の整理と組み合わせから生まれるものなのです。

では情報ってどこに存在するのでしょうか?最近よく耳にするAI人工知能、そしてビッグデータ。あのスーパーパソコンには膨大な情報が存在していますね。様々な端末から毎日毎日膨大な情報がスパコンに蓄積されています。そうしてビッグデータがうまれていきます。

でもそのビッグデータは実は僕たちの脳にもしっかり存在している訳です。でも実のところ人工知能と言ってもそれらの情報は有機的につながり新しい価値を生み出すという訳ではなく体験経験というデータからすでに存在するもののパターンを認識するだけにとどまります。それがAIの限界でもあります。

ところが人の場合はそうではありません。大学受験に役立つ左脳は言語を司る論理的なメモリー回路、そして一報の右脳は感覚中枢を司り左脳の250倍のメモリーを持つと言われています。なぜなら画像データは右脳に収まっている訳ですから、そうなのです僕たちの脳にはすでに体験・経験・知識に基づくビッグデータが既に存在しているのです。

それは体験・経験・知識の量と比例し年頃で言えば50代後半でデータの最大値を迎えると言われています。そんな膨大なビッグデータを持つ50代の情報回路と例えば20代の若いフレッシュな感性、情報のシナプスがつながった時、そこから新しいすごい発想、創造的な視点が生まれてくる可能性が高いのです。20代ではまだまだ人生経験ひよこさんです。でもすごい成長エネルギーに満ち満ちています。50代はどんな原因を作ればどんな結果が生まれてくるかという体験を直観的に判断できるようになっています。そんな2つの情報が出逢う訳ですからそのコラボから生まれてくるものはまさに洗練された感覚と創造の世界が展開されていきます。

そんな創造の場を社内でもプロデュースされたら面白い展開が生まれてくる可能性が拡がりますよね。でも一つ条件があります、その創造の場はヒエラルキーではなくフラットでなければなりません。

2017-12-19 ©Ichiro Haba
シンプルに美しく暮らす