コロナ禍での気付き

命と経済 環境と経済

どちらが大切ですか?

コロナの影響でデジタル化が加速する中、私たちはいろんなところで変わることを要求されています。

今タイでもコロナの影響で急激に経済が落ち込み、一握りの富裕層に富みが集中していると反体制デモが続いています。

世界の工場中国の覇権が進む中において20世紀多くの雇用幸せ中産階級を生み出した先進国の製造業の衰退が進みさらに現在デジタルトランスフォーメーションの進展はホワイトカラーの人たちの職を奪い所得の減少、下層化を促進しています。

利用者が増えれば増えるほど競争力が高まるデータやアイデアを独占するものへ富がシフトする。

米国司法省によるGoogleへの独占禁止法での提訴もこのような背景の中で起こっています。今のタイミングでなぜこの提訴?

大衆の不安不満に付け込むポピュリズムを巧みに利用するトランプ陣営の選挙対策でもあるというふうにも見られてもいますが、国際的な税制を利用しなるだけ税金を払わないというデジタル時代のグローバル企業、ごく一握りの人たちに富が集中するという社会になっています。

格差社会問題の根底にはデジタル化の進展とまた生産労働の機械化ロボット化いわゆるロボティクスによる雇用の収縮があります。

製造業も人を雇わず機械によるロボティクス化を行うことによって生産性を上げ収益性を高めるという方向へ益々進んでいく事になりますし、デジタルトランスフォーメーションによってホワイトカラー事務職の人たちの雇用も減少します。

まさにそうしたところで職を失うまた収入が減少する普通の人たちの働き場の創造が大きなテーマとなっています。

また日本ではこの数年後の2025年問題、戦後生まれのベビーブーマー団塊世代が後期高齢者となり4人に一人が75歳以上になるという時を迎えようとしています。医療や介護そして年金など社会保障費が急増するのです。

当然それらは税金と年金によって補助されるという社会保障の枠組みそれが今までのように機能しなくなります。

消費税1%で2兆円の歳入2025年時点で社会保障費だけで54兆円の支出が必要になると言われて消費税に換算すると27%モノ税率になるという。

そんな時がもうこの5年先にやってくるという状況に私たちはどのように対応していけるのかそんな現実に私たちは向き合っていくことになります。

私たちデザインの世界に住まう者もそのような状況に対し問題意識をまず持つ必要があると思います。

そしてデザインにできること、創造力を発揮してよりよい社会システムを構想する、新しい働き場を発想し発信していくそんなチャレンジを始めていきたいと思います。

コロナは私たちにつきつけました。

「命と経済・環境と経済どちらが大切ですか?」

この問題に知恵を絞り小さいところからでも改革を進めていきましょう。

キーワードはお金を超えた豊かさの本質、今までの次元を超越する人間性への回帰だと私は考えています。

経済だけが人の幸せのすべてではない、経済は単なる道具に過ぎない、助け合い恵みあえる社会を創造することをビジョナリーしていく方向に光を求めていく時代になる私はそのように考えています。

2020-10-27 ©Ichiro Haba
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