ブランディング デザイニング

ブランディング デザイニング 4

最近ブランディングが語られるとき必ず出てくる世界観というワード。

世界観を生み出すことが出来ればブランドとして一人前的な感覚です。ブランディングには世界観という言葉がもてはやされる背景にはモノに溢れかえる現代の消費環境、高価な製品から百均製品まですべてのモノにはある一定レベルの機能と品質、安全性がクリアされています。

そのような市場の中にあってもはやモノレベルの価値の競争ではなくなりつつある。

だれが作ったのか、なぜ作ったのか、どこを目指しているのか、どんな考え方で作っているのか、どのような考え方でサービスを提供しようとしているのか、そのようなストーリーすなわち使い手とその製品やサービスの提供者との関係性が生まれた結果として消費者はモノの選択やサービスの選択を行う、そこに生まれている共感を世界観と表現しているのです。

僕たちはもうずいぶんも前からこの世界観という言葉ではないのですが同じ意味を表す言葉として作り手が消費者に提供する本質的な価値という意味でブランドを育てるためにはカルチャーダイジング文化耕作が不可欠ですとお話してきました。

そしてこのカルチャーすなわちブランド文化や企業文化を創造する根幹に存在するものこそ事業理念であると考えてきました。

そのブランドや事業が存在することの意義・目的・目標ビジョンを明快に定義しそれを実践することによってカルチャーダイジングを実現することができる、そのように考えてきました。

そのカルチャーを生み出すためにはもう一つ戦略も不可欠です。戦略が明快でなければブランドや事業に価値を創造することが出来ません。戦略とは他が真似できない自分たち独自の武器の事です。

そして製品デザインもパッケージデザインもコミュニケーションデザインもその事業活動ブランド活動の目標ビジョンを実現するために必要な技術であります。相手があって自分がある、相手さんに自分の考えや思いをうまく伝えることは大切です。

よく女性が愛しているという言葉を求めるように言わなくても伝わる、そのようなことはないのです。

きっちりと丁寧に伝える事そのためのデザインの品質を確保すること、すなわち伝え方も重要な目標達成のための手段であります。

でも時としてデザインは愛してもいないのに愛しているふりをするようなただのお化粧直し、装飾的なごまかしとして存在するケースも多々あります。前章でご紹介していたC/Pバランスがうまく生み出されていない状況ではごまかしを施すしかありません。

でもそれでは一時のごまかしで成功しているかに見えたブランドも事業も長くは続きませんし持続的な発展に向かうことはありません。

ですから根幹となる事業理念と戦略を明快に定義することがいかに大切であるかという事になります。

2020-11-24 ©Ichiro Haba
シンプルに美しく暮らす