失敗の商品開発

失敗の商品開発 その6

商品開発は当然ながら事業戦略、経営とリンクするものであります。

本来事業戦略や経営戦略というビジョンの中に新製品開発や商品開発がその一部分として存在しています。

以前からレポートしていますが戦略とは他社が真似できない自分たち独自の武器の事を言いますが、その戦略上に商品開発も存在します。

そもそもこの経営ビジョンや戦略を持ち得ていないと商品開発は目標のない所に余計な玉を打ち続け時間やお金を浪費し、結果目的を実現できずに成果につながって行かないということがよく起こっています。

企画というものにはその狙い、すなわち目標と目的があるはずなのですが、それが明確でないまま製品が開発されているケースもよく見受けます。

単純な話がこの製品は一体どこの誰に何の為に貢献できるものなのかと問われた時にその事が明快ではなく曖昧、そのような開発は失敗します。

そしてもう一点必ず市場には競合他社が存在します。目標は自分たちの独自の武器が競合他社に優位な状況を持って目標とする顧客にどのように貢献できるのか、これもまた明快な見通しを持ち得ていなくてはなりません。

商品開発の成果は実のところそれに携わる人と組織の問題、自分たちが持ち得ている情報ネットワークとその質の問題、そして資金的な問題、自分たちの技術資源、それらの経営資源からなる活動がもたらした結果として生まれるものであります。

そのように考えると最後はやはり経営であり人材であると言う事になります。ましてやクリエイティブによる付加価値の創造が資金以上に重要な経営資源となっている今の時代にあっては、情報ネットワークとそれを活用できる人材育成が最も重要な経営課題であります。

その認識に欠けた経営は失敗の商品開発を次々と生みだす結果をもたらすことになります。

2019-05-21 ©Ichiro Haba
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