見直されたあたりまえ

リモートワークをしてみると通勤に使っていた3時間が浮いてくる。お金を稼ぐのに当たり前に必要だった時間というものの価値を見直す機会がこのコロナ禍の中で偶然生まれた。それによって今までのあたりまえにはなかったまた違った生活のあり方を発見し行動に移せた方も多くいらっしゃるようです。

今まで時短に価値を見出しお金で解決しようとしていた消費も逆に主体的に時間を消費して楽しむDo It Yourselfなアプローチで暮らしを手作りするそんな楽しみを体験することができるようになった人達。

外食ができないので自炊する中でもその手間を惜しまず料理することでたくさんの楽しみも発見できる、おまけに料理の腕も上がる、食する家族は喜ぶ、インスタに挙げてお友達にも自慢できる。遊ばされるのではなく自分から遊びを積極的に楽しむ主体的な時間が生まれるからだ。

コロナ禍で収入がアップした、あるいは生活がむしろ安定した、という消費者は少ないはずだ。にもかかわらず、効率重視ではなくあえて面倒臭いこと、手間のかかることに挑戦する人たちポジティブにあたりまえの変化を前向きに受け入れる志向性に変わりつつあるのではないでしょうか。

また災害とも同じくこういった困難の中にあって僕たちはより人と人とのかかわり方やつながりといった関係性を身近に感じることになる。

そうして社会を支えてくれる人へ感謝の思いが高まる。家族やパートナーとの時間を以前よりも大切にしようとも思い始める。さらに今の生活・暮らし方を変えていきたいとコロナを超えたその先の生活に思いを馳せる。

私たちは不便を乗り越えることで、主体的に行動できる、考えて工夫できる、気づきや発見を得、そしてまた身体面などの能力低下を防ぐといったさまざまなメリットを感じ始めている。

生活を工夫することが新しい楽しみとなりこのコロナが明けたころには私たちはもっと素敵なあたりまえを手に入れることになる。そんな予感がします。

2020-07-21 ©Ichiro Haba