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戦略思考の本質

戦略を思考する場合私たちはその手本として数多くある戦略思考の書籍を活用しようとし、また学生さんもそれを参考に学びますがさてそれは正解でしょうか?

学校で教えられる戦略策定の科目の多くも過去の成功事例をなぞり、どうすれば成功するか、その事を順序だてて論理的に理解できるように学者の先生方は務めておられています。

近年では学術指導の先端を走る米国スタンフォードやMITなどの指導法はそれら過去の成功手法をハウツーとして論理立て頭に詰めこさせるのでなく体験的な手法を用いてトライ&エラーの中からロジックを学ばせるという導き方に変化しています。

もはやロジック詰め込み型の指導は前時代のものとなりはじめていますし、私たち実務者はそれら複雑化された論理に振り回されてはならないと思います。その事は結局の所、論理の牢獄に入り込みそこから抜け出せないような囚人となって自らの創造的な可能性を見失うことになり意志も魂もともなわない単なる知識で形成された机上の空論を描く事にとなりその先に必要となる意志をともなうようなビジョンを生み出す事にはなりません。

戦略とは他社の真似できない独自の武器を言うのですが、その手法をとる事はすなわち枠にはまった発想の域にとどまる危険性をはらんでいます。そしてさらに大切な事は物事の本質はシンプルであると言うモノの見方です。

例えばアマゾンの今日の成功例は非常にシンプル単純な顧客の要望、即ち

・即日かどうかは別として商品を必要な時に簡便に手に入れたい
・どこよりもリースナブルに製品を購入したい
・様々な製品がある中でベストチョイスを行いたい

というシンプルで本質的なニーズに応える為の仕組みづくりに投資し創意工夫を重ねて来たからこそ今がある訳です。この事でもわかるように私たちが事業で実現すべき目的・目標・意義は理論から導かれるような複雑な事ではないという事です。

要するに何が言いたいかというと、「人間というものを理解しシンプルにその本質を単純化して捉え実利を重んじるコト」こそ戦略づくりのもっとも重視すべき指針となるという事です。

競争相手もいる世の中でその目標とするテーマをどのように他者よりも早く優位に実現できるかその事に取り組む戦術もまたシンプルに思考されるものでなくてはなりません。

2019-12-27 ©Ichiro Haba
シンプルに美しく暮らす