BLOG

デザインの品性・品位

福沢諭吉曰く

思想の深遠なるは哲学者のごとく、心術高尚正直なるは元禄武士のごとくにして、これに加うるに小俗吏の才をもってし、さらにこれに加うるに土百姓の身体をもってし、初めて実業社会の大人たるべし。

現代IT、AI、Big data、IoT、Cloud、Sharing、Block chainなど産業革命以来のテクノロジーの大きな変革のなか生活の仕方が変わりつつある一方でVintage、Organic、hand craft、Spiritualといった一昔前に存在しあたりまえであったモノ事への憧れが強まっています。

一昔前アルビントフラーが、ハイテクが進展するほどハイタッチな人間としての存在スピリチュアルな人間性の原点に回帰するようになると予見し話題になりましたが、まさに今その時代を迎えています。

冒頭の言葉は明治の創成期、教育者福沢諭吉が知らしめた社会人としての有り様を語ったワンフレーズでありますが、哲学者のごとく実態の本質を学び、元禄武士のごとく誠実で正直で嘘がなく、コッパ役人のように機転が利いて、お百姓さんのような強い身体を持って努力を重ねられる社会に貢献できる大人になりなさいと学生たちにエールを送ったと言います。

昨今、日本国の品位も経済も政治の三流化で本来必要な改革が進まず停滞しています。かつての高度成長期の成功にしがみつく人たちが権力を持って利権を握り、本当に必要な国家運営が滞っています。理念無き嘘ごまかしが重ねられて品性を落としめています。

どんなにテクノロジーが進化進展しようとも歴史上のリーダーのミスリードによる不幸が有ったにしても人間としての正しい事がまかり通る社会の必要性は明治も今も同じであると思います。

デザインというものにも品位品性が現れます。心を磨き高めることがイコール素晴らしいデザインを世に送り出せるものであると思います。

突然の衆議院解散、日本国にも品位有る変革のデザインが必要だとつくづく思う今日この頃です。

2017-09-26 ©Ichiro Haba
シンプルに美しく暮らす